第三回 集中講義  


講師 イアン・マッキンリー

いや〜、みんな久しぶりの集中講義だ。なかなか項目が決まらなくてね・・。ふっー。

今回は僕の大好きなバンドを次々送り出すスウェーデンを紹介しようかって思っています。本当に良いバンドが多い国だね。そんなに人口が多い国ではないんだがバンドをやっている人の割合が多いみたいなことを聞いた事があるなぁ〜。確かに色んなジャンルの良質なバンドがたくさんいますよね。結構英語で歌ってるバンドも多いし。公用語はスウェーデン語なんですけど、学校で英会話に力を入れてるみたいで日常会話程度な英語は全然問題ないみたいですね。日本の文部省も頑張って欲しいね。やっぱ世界中の人に聴いてもらいたいんだったら英語がベストだもんね。そしてここ日本と一緒で新しい音に飛びつくのが早いんだけど、それを自分達のものにするのがうまいみたい。

まあ、スウェーデンの事は詳しくは解らないけどとりあえずバンドの紹介に行きますね♪まあジャンルはバラバラですが。パンクからギターポップ、パワーポップ、ハードコアと何でもありです。


*バンド名に下線があるバンドはバンドのページへのリンクが貼ってあります。
(オフィシャルじゃないページもあり。)

PSYCHOTIC YOUTH/STEREOIDS
(WOLVERINE RECORDS)

やっぱスウェーデンと言ったらこのバンドは外せませんね。活動歴はかなり古いベテランさんです。かれこれ15年以上はやってるでしょう。「SOME FUN」あたりからラモーンパンクに傾倒していき、そこからより自分達の音を追求していた結果、完全無比なパワーポップパンクバンドへと登りつめました。そんな彼らの最新作がこのアルバム。もう金太郎飴状態のご機嫌ナンバーの即連射です。1曲目のハードロック風の始まりに首を傾げましたが、ご安心あれ2曲目以降は相変わらずです。チープ・トリックの名曲「Surrender」もはまりまくりです。時折飛び出すキーボードの音色も軽快ですね。最近は解散したとかって噂を聞くけど嘘であって欲しいな〜。是非とも来日して欲しいバンドのひとつです。
BRAINPOOL/PAINKILLER
(SONY)

スウェーデンのパワーポップバンドの傑作アルバム。確か2枚目のアルバムと思います。1枚目は聞いたこと無いんだな・・。誰か持っている人は感想教えて欲しいです。もうこのアルバムははちきれんばかりのポップナンバーの目白押しで最高ですBUZZCOCKSをよりポップにしたような曲もあって大好き!特に4曲目「We aim to please」なんか出だしのギターのカッティングからもうもう失禁ものです。やっぱこのバンドの魅力はポップな楽曲はもちろん、ボーカルのKASKの舌足らずで甘い声が大きいと思いますね。1〜2年くらい前に出た彼のソロ作品で、よりそれをより確信しました。バンド名もまんまKASKです。見かけたら是非聴いてやってね。ちなみにBRAINPOOLの3枚目「STAY FREE」はいまいちです・・。
THE WANNADIES/BAGSY ME
(SOAP)

これまた素晴らしいバンド。ここ日本でも90年代初頭スウェディッシュ・ポップ・ブームが起こったんですが、このバンドは結構地味な取り上げ方をされたような記憶があります。それがかえって良かったんでしょうね。今では結構根強いファンを持つバンドになったんですから。僕もそうですが。初期2枚のアルバムはまあまあといった感じだったんですが、3枚目の「BE A GIRL」でそのポップセンスが爆発。続くこのアルバムで頑固たる地位を築き上げました。パチパチ。1曲目からもう走りまくりです。ボーカルの声質もあると思いますが、独特のワナダイズ節を確立してます。続く最新アルバム「YEAH」ももちろんの出来です。全ギターポップファン必聴ってことでよろしいですか?生徒の皆さん。
STARMARKET/FOUR HOURS LIGHT
(AMPERSAND RECORDS)

スウェーデンの誇るエモーショナルなパンクバンド。(あえてエモって言葉は使いません)彼らのアルバムはどれもが素晴らしいのですが、今までの音楽性から一歩踏み込んだ最新アルバムを取り上げます。それまでのパンク的な速さを抑えて、より楽曲重視になった本作。結構賛否両論だったのではないのでしょうか?確かに1枚目「STARMARKET」2枚目「SUNDAY'S WORST ENEMY」の疾走感のあるサウンドは魅力でした。でも、スピードを落とし、より輪郭がはっきりした曲の数々。これらを聴いて改めてこのバンドの可能性を再確認しました。もう切ないほどに胸を締め付けられます。ギターポップファンにも是非とも聴いてもらいたいアルバムです。
CHESTER COPPERPOT/POEMS&SHORT STORIES
(DOLORES)

このバンドの繰り出すサウンドには頭が上がりません。このバンドもラジオのほうで紹介したみたいだね。えっ、ミニアルバム「SHORT CUT」の曲を紹介したの。あのミニアルバムは最高にいいね!それに続いて出た本作も良い!もう甘え上手なボーカルが歌う青春パワーポップナンバーの数々。おじさんには堪らないね・・。ごめん。また涙腺が緩んできた。このボーカルはなんかSUPERCHUNKのマックの声を彷彿させるよね。そう言えば曲の感じも似ているような。ちょっと脱力していて、でも前向き。よくわからないね。このアルバム以後音沙汰無いけど、どうしているんだろう?誰か知っている?とにかくLOVE&PEACEって感じだね。(ニンマリ)
POPSICLE/LACQUER
(SOAP)

俗に言うスウェディッシュ・ポップに触れた最初のバンドがPOPSICLE。そのアルバムはセカンドアルバム「ABSFIUENCE」なんだけど、ここでは彼らのファーストアルバムの本作を取り上げたいと思います。彼らの持ち味は轟音のギターでしょう。このアルバムはそのフィードバックノイズが遺憾なく発揮されています。また線の細い繊細な2人のボーカルもいいね。彼ら2人はそれぞれ曲を書き、自分の曲は自分が歌うというスタイルを取ってます。もう、湿った切ない曲には震えまくりです。彼らのアルバムは計4枚出ているのかな?全部いいですよ。でもこのアルバムの1曲目なんか大好き!「他のスウェーデンのギターポップバンドもこんなにいいのか」っていろいろ買ったけど彼らに匹敵するのはワナダイズくらいかなって感じでした・・。(残念)
LAST DAYS OF APRIL/ANGEL YOUTH
(BAD TASTE RECORDS)

最近のスウェーデンいや世界中のロックバンドの中では抜群の出来。これ以前の作品は悪くは無かっけど、まあよくいるバンドだなって感じだったんです。このアルバムの噂をそこかしろで聞いて本当かよって感じで手にとったんですけど、いや〜参りました。1曲目から以前の彼らと違った感じの浮遊感のある極上ナンバー。エモとか言うのが馬鹿馬鹿しくなるぐらいの素晴らしい曲の数々。確かに曲のアレンジのおかげかもしれないですけど、そこらのバンドではこんなメロディーは書けないです。もうもう大傑作!僕の中ではこのアルバム一枚でSUPERCHUNK,STARMARKET,TEENAGE FUNCLUB,MY BLOODY VALENTINEと肩を並べるバンドへと急上昇です。本当にこのアルバムを聴いた事が無い人は是非とも手にとってくださいね!感涙です。
THE LOST PATROL/SONGS IN THE KEY OF RESISTANCE
(STARTRACKS)

90年代初頭に登場しスウェーデンのストレイト・エッジシーンを引っ張っていたREFUSED。そのボーカルのデニスのソロユニットがこのLOST PATROLです。本当はREFUSEDも相当かっこいいので紹介したかったんだけど、CD消えちゃった。オ〜イ何処行った?そんなREFUSEDとはかけ離れたアコースティックな曲には正直驚きました。でも、これがいいんだな。最近注目を集めるアメリカのDASHBOARD CONFESSIONALに匹敵する出来です。ELLIOTT SMITHなんか好きな人なんかきっと気に入ると思うよ。同時に彼がやっているガレージロックンロールなTHE (INTERNATIONAL) NOISE CONSPIRACYもかっこいいので聴いてちょ。
WADE/ODD MAN OUT
(WEST SIDE FABRICATION)

このバンドについてはあまり情報がないんですが凄く好きなんですよ。まあ、ギターポップ/パワーポップ的音を出すバンドなんですが、曲がスバ抜けてます!1曲目のWEEZERみたいな感じを聞いて、まあこんな感じで全編いくのかなって思っていたら、2曲目から弾けまくりです。疾走感があって力強く、そして哀愁たっぷり。言うならSTARMARKET meets POPSICLEって感じかな?まあ両方スウェーデンのバンドですから影響を受けているんでしょうね。もういいとこ取りです。僕のためにやってくれてるんじゃないかってほど好みにばっちりです。ちょっとアイドルっぽいルックスですが本国では人気あるのかな?今はどうしてるのかな?誰か知ってる?
LEIAH/THE TIGRA SONGS
(GENET RECORDS)

このアルバムは去年位に発売になったのかな。この前にもう1枚ミニアルバムが出てるみたいです。このバンドも凄く良いね!もろエモって感じの音を奏でてます。じわじわメロディーが盛り上がるMINERALみたいな素晴らしい曲が目白押しです。あっ!MINERALもあるがかなりJEJUNEとも共通項が見出せます。男女ボーカルだしね。またボーカルが良いんだな。ちょっとヘナヘナな男性ボーカルと力強い女性ボーカルの掛け合いは本当に心に染みます。えっ?ハイパーイナフラジオでも近々収録する?!いいですね〜。こう言った無名なバンドこそガンガン紹介してね、へっぽこラジオさん!
STONED/PARTY SONGS
(AMPERSAND RECORDS)

スカを取り入れたポップパンクです。このミニアルバム以外はあまり良くないんですが本作はよく聞いたな〜。今のホーンとか取り入れたスカコアのバンドに比べたらちょっとしょぼいですが、まあスカのカッティングを取り入れたパワーポップパンクだと思ってください。もうもう曲が良いです。なんか青春って感じで切ない曲が詰まってますよ。鼻詰まりでヘナヘナボーカルがより哀愁度を高めてますね。あとドタバタした軽めのドラムも情けなくてよいなぁ〜。こう言った一昔前のバンドを聞きなおすと当時の思い出が走馬灯のように駆け巡って感無量ですね。まあ、中古盤屋で見かけたら買ってやってください!
MEANWHILE/LAWLESS SOLIDARITY
(SOUND POLLUTION)

このバンドは80年代のクラストコアスタイルを継承するバンドです。スウェーデンはハードコアにおいても早くに吸収しオリジナルな音を出すバンドを多く排出しましたからね。その代表格はANTICIMEXなんですが僕は個人的にはMOB47が大好きです。あっ!話がずれましたね。このバンドはKRINGSHOTなんかメンバーがいるバンドですね。KRINGSHOTもファストで強烈なハードコアを聞かせてくれるので要チェック!MEAMWHILEはDISCHARGEみたいにリフを重視し、まさに在りし日のイギリスのハードコア思い起こさせてくれます。個人的にはもう少し曲が短いほうがよりよいみたいです。はい。
FIRESIDE/UNMINI D'ONORE
(CRANK!)

FIRESIDEはスウェーデンのエモ、ポストハードコアバンドの中ではベテランのバンドだね。LAST DAYS OF APRILとかにも影響をかなり与えてるみたいだし。メンバーも他のバンドのプロデュースを手がけたりしてもう第一人者だね。音のほうはQUICKSANDとよく似ている感じです。まあ要するにエモと言うよりポストハードコア的アプローチをとってます。でも僕個人としては彼らのエモーショナルな曲がお気に入りです。10曲目の「Layer」なんて屈指の名曲と思うんですがどうでしょう?泣けちゃいます・・。最新作「ELITE」はまだ聴いてないんですが、結構音に広がりが出たみたいで是非とも聴きたい作品です。
STUKAS/THE WORLD ACCORDING TO
(BIRD NEST RECORDS)

垢抜けない男2人と女の子の3人組です。結構前のアルバムで93年発売ですね。全体を通して良い曲の目白押しなんだけど、1曲目「GONNA KILL HER」はずば抜けて良いです。彼らのサウンドスタイルは哀愁漂うポップパンクナンバーを男女ボーカルが歌うって感じなんだけど、その1曲目はもうまんまって感じです。FASTBACKS,MUFFSなんか好きな人は絶対聴いて欲しいですね。ちょっとラーモンズも入っているけどDESCENDENTS〜ALLって曲もありますね。あまり情報がないもんですまないねぇ〜。とりあえず中古盤屋とかでまめに探してやってね。あっ!CIGARETTEMANファンなんかつぼだと思いますよ〜。
TOMMY 16/SHAUNA
(WEST SIDE FABRICATION)

もう切ない切ないギターポップバンドです。おそらくスウェデッシュ・ポップにはまってたときに買ったアルバムと思いますがこれは結構聞き込みましたね。ちょっとネオアコも入ってます。まずこのバンドの魅力は繊細なボーカルが上げられます。本当に胸が締め付けられるように切ないです。そんなに派手さは無いんだけど良い曲揃っているし、全体を通して優しいサウンドです。このアルバムは彼らの1枚目のアルバムなんですが、ちょっと前に2枚目も出たみたいです。何気に日本盤も。買わないといけないな。この前このアルバムが中古盤屋で100円で売られていたのはショックでした・・。(涙)
HIM KEROSENE/RECORDER
(AMPERSAND RECORDS)

STARMARKET好きは痺れまくりなこの作品。ボーカルの感じも似ているしね。音が若干悪いのが玉にキズです。確かCOWPERSとスピリットシングルを出していたと思うけど、聴いたことある人います?COWPERSも好きなんだろうね。それも納得の素晴らしい出来です。ラウドでエモーショナルで切ないです。こうやって久々に聴くと改めてその良さが再確認できました。生徒のみなさんありがとうね!最近はどうなんでしょ?解散したんでしょうか?情報求む!それにしてもSTARMARKETに音からボーカルまでそっくりだね。覆面バンドだったりして。それはないか。(なぜか腹を抱えて大爆笑)
RANDY/NO CARROTS FOR THE REHABILITATED&MORE
(DOLORES)

今でも現役で頑張るメロディックパンクバンド。このアルバムの日本盤は悪名高いJIMCOが手がけましたね。日本盤のライセンス契約をして、売りまくって倒産。もちろんバンドには一銭も入っていません。計画倒産って噂も流れました。まあ、そのおかげで色んなバンドを聴けたんだけど・・。RANDYのお話ね。まだ日本でそんなにメロコアが盛り上がってない時、このアルバムを聴いてはまりました。世界的に見てスカも早くから取り上げてたしね。性急なナンバーにNUKEY PIKESを思い起こさせる子供声ボーカルが乗る前半も良いですが、後半のスカナンバーもご機嫌です。この頃は本当に新鮮だったね。その後は中庸なバンドになってしまいました。おしまい。
TEDDYBEARS STHLM/WE ARE TEDDYBEARS
(LUNKER KILLER RECORDS)

このバンドはまあミックスチャースタイルのバンドですね。個人的にそういった類の音は嫌いなんだけど、このバンドはよく聴いていました。ヒップホップスタイルのボーカルが叫び、性急に走りまくる演奏。今だったら絶対買わない聴かない手にとらないの3原則なんですが。今のミックスチャーの盛り上がりを見ると、やっぱスウェーデンは流行の先取りがうまいね。このアルバムは日本盤でボーナストラックを含めて27曲入りです。プリンスのカバーなんかも入っています。その後シングルを出して消息不明になっちゃいました。
まあこんな感じです。本当にジャンルバラバラだね〜。まあお疲れ様です。それでは今宵もハッピーエンドってことで。