パンク学科 第四回講義

講師 当大学学長


よっ!諸君!!楽しい楽しいお勉強の時間じゃぞ。

今日はイギリスのメロディックパンクの特集じゃ。今回取り上げるバンドは、SNUFF登場以後のバンドを中心とするぞ。ゆえに、SNUFFY SMILE関係が多くなるの。それじゃあ、バンドも多いことだし、始めるとするかの。


SNUFF/NOT LISTENING EP
(VINYL JAPAN)1990

すべてはここから始まったの。これはVINYL JAPANからで発売は1990年になっておるが、イギリスではWORKERS PLAYTIMEから1989年にでた物だ。わしは1stLPを聴いた後でこれを聴いたんじゃが、もう素晴らしすぎる!当時イギリスではハードコアが非常に盛り上がっておったが、その時代にこんなメロディックなバンドが出てきたのは奇跡じゃ!EXTREME NOISE TERRERも日本に来日した時、SNUFFのアルバムを買ってたそうな。美しいエピソードだのう。わしの大好きな超名曲「That`s enough」収録じゃぞ!今聴いてるだけで泣けてきたぞ・・・。
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SNUFF/SNUFFSAIDBUTGORB・・・
(WORKERS PLAYTIME)1989

そんでもって1stLPじゃ。このアルバムが出た頃、スナッフはすでに人気に火がついており、イギリスでは1000人クラスのホールを満員に出来る程じゃったそうだ。このどこか暗く、哀愁漂うメロディーはなんじゃ?!イギリスのバンド全部に言えることじゃが、天候のせいかどこか暗く切ないメロディーになるの。ダンカンの天才的作曲能力がすべてだと思っていたが、再結成後のスナッフを聴くとそうじゃないことに気が付いての。やっぱ、スナッフはダンカン、アンディー、サイモンの3人じゃないと駄目ということじゃ。まったく、音の質感が違うからの。ジミヘン、ティファニーのカバー収録じゃ。これまたわしの大好きな超名曲「Too late」「Keep the beat」も入っておる。って言うか、この頃の曲は全部名曲なんじゃが。
SNUFF/FLIBBIDDYDIBBIDDYDOB
(WORKERS PLAYTIME)1990

このアルバムこそ、わしがはじめて聴いたスナッフじゃ。DOLLの別宮エリカのレビューを見て、速攻手に入れたのじゃ。レコードに針を落とした瞬間、脳天をハンマーで叩き割られたような衝撃じゃったぞ。このアルバムはカバーでほとんど構成されておる。ゆえに他のアルバムと比べると暗さがなく、底抜けに明るいのじゃ。このアルバムを聴いて思うに、スナッフがいなかったら今の日本のパンクシーンも変わっておったじゃろな。今をときめくハイスタなんか出てこんかっただろうよな。もちろん、SNUFFY SMILEもな。スナッフこそ、わしの青春じゃった!本当にリアルタイムで経験できてよかったのだ!
SNUFF/REACH
(TEICHIKU)1992

このアルバムをどれだけ楽しみにしただろうかの。しかし、発売の前年1991年8月15日スナッフは解散してしまったのじゃ(涙)なんか、複雑な気持ちで聴いていた記憶があるの。でも、泣き顔が笑顔に変わるぐらい素晴らしいアルバムじゃった。まあ、解散の前に彼らは二回も来日しておるしな。確か、初来日は東京のみ、二度目はHARD-ONSと一緒に東京、大阪じゃったの。さすがにわしは行けんかったが、当大学主催の岩佐氏が初来日のとき東京まで行って、入れなかったそうじゃぞ。(笑)その後、再結成しての来日にわくわくして行ったが、オリジナルメンバーがダンカンだけでがっくりしたの〜。別に回顧主義じゃなく、今のスナッフは別もんじゃろ。音がのぉ〜・・・。
VA/TOO LATE TO KISS THE TRUTH A TRIBUTE TO SNUFF
(SNUFFY SMILE)1993

これはSNUFFY SMILE記念すべき第一弾シングルじゃ。最近、えらく値段が高騰してるらしいぞ。でもそこまでして買うものかいの?「栄森さん!再発するか、他のシングルと合わせてCD出だしてはどうじゃの」すまん、わしの独り言じゃ。収録バンドは、SAMNTHA`S FAVOURITE,COKE HEAD HIPSTERS,NOT ENOUGH,SLIME FISHERじゃ。曲はそれぞれ「SPEND,SPEND,SPEND」「THAT`S ENOUGH」「TOO LATE」「DAMEGE IS DONE」じゃぞ。
GUNS`N`WANKERS/ST
(CUTE KIDS MUSIC)

これはスナッフ解散後、ダンカンが結成したバンドじゃ。発売はおそらく1993年ごろと思うのじゃ。のちにFAT WRECKからもジャケと曲順が違うのがでておったの。わしの周りではみんな狂喜してこれを聴いていたもんじゃ。内容はスナッフより明るい曲調で、ギターがサイモンよりメタリックじゃな。スナッフとは違うがこれはこれで素晴らしいアルバムじゃった。バンド名が物語るとおり、遊び的バンドじゃったが、このまま続けても面白かったかもなぁ〜。このあと1994年にスナッフは再結成するのじゃった。
GOOBER PATROL/DUTCH OVENS,TRUCK OFF
(LOST&FOUND)1991,1992

もろスナッフの影響下にあるバンドじゃ。このアルバムは1stと2ndのカップリングじゃぞ。まあ、スナッフに似てはおるがこれはこれで結構聴きこんだの。切なくてひたむきなサウンドが君らの胸を打つことじゃろうな。特に2ndの完成度は高いぞ!その後、FATに行きもっと明るいサウンドになったがそれもかっこよかったの。もう解散したんじゃろうかな?
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LEATHERFACE/FILL YOUR BOOTS
(ROUGHNECK RECORDING COMPANY)1990

HUSKER DU meets MOTERHEADといわれたレザーフェイスの登場じゃぞ。スナッフと並ぶイギリスのメロディックバンドじゃ。スナッフほど疾走感はないが、絶望の中で希望の光を必死に探そうとするようなサウンドに感涙じゃ。モーターヘッドのレミーの声にそっくりなフランキーのそれがこのバンドのすべてじゃ!スナッフ解散後、ベースのアンディーが参加したのも頷けるの。
1993年解散じゃ。おっと、言い忘れた。レザーフェイスのギターのディッキーがいたHDQもかっこよいので、中古盤屋などで探してやってくれ。
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LEATHERFACE,HOT WATER MUSIC/SPLIT
(BYO RECORDS)1998

そして遂にレザーフェイス復活じゃぞ!!このスピリットを聴けば解るが、全盛期と同様、いやそれ以上のテンションじゃ!普通復活じゃと、色あせるもんじゃが彼らに関してはさにあらず。ホットウォーターも渋いが相手が悪かったの。ところでのこの前インターネットを見ておったら、元スナッフのアンディーが死んだと書いてあって。そう言われると、1曲目「ANDY」がそれっぽく聴こえるじゃが。嘘であって欲しいのだがの、誰か真相を知っておった教えて欲しいの。(真顔)


POPE/JOHNPAULCEORCERINGO
(SNUFFY SMILE)1994
JESSE/ST
(RUGGER BUGGER DISCS)1997

レザーフェイス好きのみなの者!この二枚もマストじゃぞ。ボーカルフランキーが解散後やってたバンドじゃ。この人さえいればレザーフェイスということが見事に証明されておる。本家でやらんようなバラードタイプの曲があるのがその違いかの。わしの好みはどちらかというとJESSEじゃの。
BROCCOLI/HOME
(SEEP23/8TH MOVE)1998

スナッフ、レザーフェイスを超えれるのは、このバンドしかおらんじゃろな。1stも良かったが、この2ndにはかなわないの。曲が抜群に良くなったの!そして、なんと言ってもこのボーカルの声じゃろ!!この声にやられない子は、わしが良い病院紹介してやろう。来日も素晴らしかったの。昨日のことのように覚えておるぞ!ずっとシングアロンしたのぉ〜。もう、こいつらには涙涙じゃ。落ち込んで泣きたい時に最適じゃぞ!ぐすんっ。
そういえば、シガレットマンの魚住くんも彼らのことかなり好きじゃったの。
TRAVIS CUT/ANOTHER DAY ANOTHER DRUMMER
(SNUFFY SMILE)2000

トラビスカットのシングルコンピレーションじゃぞ。このバンドを知ったのは地元名古屋のネーブルとのスピリットでじゃな。あれにはやられたの。疾走感があって、せつなくて、ひたむきで。例えるなら笑顔で涙って感じかの。なんじゃ!その冷たい目は!!まあ、よい。とにもかくにも、これも良いに決まっておるじゃろ!あっ!また、おしっこでてもた。
FUNBUG/SPUNKIER
(GOLF HOLE)1995

こいつらはスクリーチングウィーゼルなどのラモ−ンパンクに通じるもんがあるの。もちろん、イギリス特有の切ない音作りも持ち合わせておる。青臭いボーカルも色を添えておる。かっこよいのぉ〜。(同意を求める視線)
CHINA DRUM/GOOSEFAIR
(BAGGARS BANQUET)1996

イギリス北東部スコットランド出身の三人組チャイナドラム。こいつらの歴史は古く1989年結成じゃぞ。スナッフ、レザーフェイスともツアーをしておるベテランじゃ。初期からのファンにはこのアルバムの音作りは不評だったそうな。確かに、若干クリーンな音作りじゃが、ドラマティックでメロディアスなこのサウンドに何の文句が出るってもんじゃろ!?ボーカルもめちゃ歌がうまいしの、しぶいの。ケイトブッシュの「嵐が丘」のカバーに感激じゃ!
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HOOTON 3 CAR/MONKEY MAYOR
(RUMBLESTRIP RECORDS)

ブロッコリーと共に来日をしたホートンのアルバムじゃ。確かにライブでは完全にくわれておったが、なかなかかっこよいぞ。まあ、スナッフ以後の典型的音なんじゃが。そうやって考えるとスナッフの登場というのはあの時代のイギリス、そしてその後のイギリスのパンクシーンに風穴をあけたんじゃろうな。
SKIMMER/COMPITOENAIL
(SNUFFY SMILE)1994〜1997

これはスキマーのコンピレイションじゃ。こいつらはボーカルの声質のせいもあると思うが、どちらかというとラモ−ンパンクに通じるポップさを持ち合わしたバンドじゃ。例えるなら、AG`S、FROGGERみたいなかんじかいの。でも、ちょっぴり涙って感じで切ないのぉ〜。こればっかですまんの。イギリスのバンドには弱いんじゃ。
EVERSOR/WORLD OF ILLUSIONS
(DAY AFTER)1995

こいつらはイギリスじゃなくてイタリアのバンドじゃぞ。BRAIDの来日で一緒じゃったの。名古屋の公演ではトリだったので、BRAID目当ての人らが帰り、結構閑散とした雰囲気での演奏じゃったの。でも、力強く伸びやかなボーカル、ポップでドラマティックな曲でかなりよかったぞえ。しかし、考えるとあれがBRAIDの最後の舞台じゃったんだの〜。うぁ〜。(涙が川のように流れる)
VA/THE BEST PUNK ROCK IN ENGLAND,SON
(SNUFFY SMILE)

CHINA DRUM,CHOPPER,COUCH POTATOES,COWBOY KILLERS,DR BISON,EXIT CONDITION,FUNBUG,GOOBER PATROL,GUN`S WANKERS,HOOTOON 3 CAR,HORACE GOES SKIING,MIDWAY STILL,POPE,REVERSE,RUGRAT,SCARFO,SHUTDOWN,SKIMMER,THE STROOKAS,TRAVIS CUT,VENUS BEADS,WACT,WAT TYLER,YOUR MUM収録

結構前のコンピレイションでバンドも懐かしいのが多いの。COWBOY KILLERS,EXIT CONDITIONとか今どうしておるんじゃろうか?結構かっこよかったのにな。このコンピでのベストトラックはMIDWAY STILLの「I WANT YOU」に決定じゃ!昔、アルバム持っておったが売ってしまってごめんじゃ。こんな切ない名曲書けるとは。後悔じゃ!
VA/THE BEST PUNK ROCK IN ENGLAND,MAN
(SNUFFY SMILE)

SNUFF,TOAST,GAN,SUFFER,CROCODILE GOD,EX CATHEDRA,ANNALISE,THE SHREDS,JESSIE,BABY SILVERSKINS,LOVEJUNK,GINK,SWINE FLU,PINTO,BRADWORTHY,ERASE TODAY,ELMERHASSEL,CHOCOLATE,ANOTHER FINE MESS,BROCCOLI,WORM,SOFAHEAD,BULLTACO,DOG PISS収録

GANの曲泣けますぞ!まだ頑張っておったんだな。
どうじゃった?長丁場になってしまったの。お疲れじゃった!

イギリスは90年初頭までハードコアが盛り上がっておったのじゃが、その後ダンスミュージックにみんな流れてしまって、今に至っておる。まあ、ブリットポップブームというのもあったしの〜。そして、どこの国もそうじゃが、アメリカのバンドにも非常に影響されてるようだぞ。近年、なかなかイギリスからオリジナルのハードコア、パンクバンドが育たんのはそんな理由が挙げられるの。また、国自体の規模が小さいからか、バンドが出てきてもなかなか続けることが出来ないようだ。実際、パッと出てどっかいってしまうバンドが多いの。

そこで、今現在活動しているバンドには頑張ってもらいたい!特にレザーフェイスだの。

あなたたちしか出せないオリジナルのサウンドがあるのだから・・・。