溜り水　トメさん

貞一さんどうもご無沙汰してます。覚えていらっしゃいますか？戦争で亭主を無くし、心底参っていた私を身も心もお慰め頂いたご恩は今でも忘れません。その後、音信不通になり感動の再会は伊勢湾台風の頃でしたね。ボートに乗り沢山の人々をお助けするお姿を拝見し、改めて惚れ直しました。でも、今思うにそのボートには女性しかお乗せしていなかったような・・。まあまあ、お元気のようで何よりです。私はその後再婚いたし、ひ孫はもとよりやしゃごにまで囲まれ幸せでやっております。また､時々でよろしいのでトメのことを思い出して頂くとうれしゅうございます。ポッ

五反田　フクコさん

貞一さまお久方ぶりです。当時高等学校の学生さんだった貞一さまとしがない旅芸人一座の踊り子であった私が出会ったのは大島でありましたね。もう何年経つのでしょうか？あの頃の貞一さまは本当にりりしく私は目も合わせれない程ときめきを覚えておりました。貞一さまに「好きだよ｡一緒になろう。」と告白された時は天にも登る勢いでありましたが、いけません身分が違いすぎます。お別れの時は「学生さ〜ん！また大島にいらっしゃって〜。」と笑顔で手を振りましたが、心の中は涙の洪水でございました。また、大島の近くにお寄りの際はフクコに会いに来てくださいまし。それでは、さ〜よ〜な〜ら〜。

袋小路　さん太さん

貞一ちゃん元気か？むつみ会を解散してからもう何年経つやろな？我らのアイドルむつみちゃんを野郎10人が囲み、あの頃は本当に楽しかったな〜。美人薄命とはよく言ったもんで、むつみちゃんが白血病で亡くなったときは皆で朝までウェ〜ンウェ〜ン泣いたよな〜。またさ、クロちゃんとも言っとったんやけど皆で集まってむつみちゃんとの楽しい思い出を肴に一杯飲もやないか。わいわいがやがや、ええやないか。えぁっ？わし特製のどぶろくはって？もちろん持ってくがや。

留金　ひろしさん

どうも出口小隊長、お久しぶりであります｡書生サイパンの第59師団でお世話になった留金でございます。学徒出陣で駈り出された左も右も分からない書生をムチとムチの教育で鍛え直してくれたのも今となってはいい思い出であります。小銃の尻でよく頭をひっぱ叩かれたものですなー。只今、書生は南アフリカ共和国ケープタウンでしがないすし屋をやっております。がしかし、現地の人もほとんど立ち寄らない治安が悪い所で苦戦の毎日。世界を股にかける貞一小隊長のことですから、またこちらにお越しの際はたんまりと昔のお礼をさせてもらいますよ。ちなみに「ペッペッ寿司」という名前でございます。それでは失礼をばします。

枯山水　徳次郎さん

出口貞一さま、お元気のようで何よりでございます。私のことをお覚えでしょうか？以前天下一家の会の頼母子講をご紹介頂き、家財道具はもちろん屋敷まで奪われ一家離散の憂き目にあった徳次郎でございます。ご自身は会の幹部とやらでたらふくお稼ぎになったようですね。本当にあの頃は貞一さまが憎くて憎くてお命頂戴したかった位ですが、人間とは不思議なもんで年老いていくとあの頃の貞一さまが懐かしくてしょうがないのであります。無一文になった私は現在お山で自然に触れる生活を堪能させてもらってます。山の民、もしくはサンカと言うのでしょうか、なかなかのものですよ。山の頂きに全裸で立ち「今畜生〜、貞一〜！」と叫ぶ自分も今でも健在ですが、またいつの日か蛙の皮剥ぎ汁などご馳走させて下さいな。

乱れ髪　富士子さん

貞ちゃん、元気？喫茶室「胡蝶蘭」で女中をしていた富士子でございます。風の噂で色々聴いとるよ。かわいいお孫さんにけったいなラジオやらせてるみたいで、ほどほどにしとかなあかんよ。それにしてもあれから何年経つんやろ？当時許嫁がおった私に言い寄り、手中に入れた貞ちゃんはさぞかし気持ちよかったやろね〜。その後、東京に飛び出していった貞ちゃんを待ち早50年。長かったような、短かったような・・・。貞九朗も今年で50才やで。「死ぬまでに一度だけでええ、父親の顔を拝みたい！」と言っとるで、また一度でええから遊びに来てね。あっ、店の名前は「ちょっと恋」に変わったで注意してね。今気付いたんやけど、貞ちゃんいつの間にか桑名に戻ってきたんやね、そりゃないよ・・。

御手洗　イクオさん

どうも貞一社長お久しぶりです！スリランカのスリラムヤプラスティック工場で通訳を勤めた御手洗であります。あの頃の出口鉄工所は飛ぶ鳥を落とす勢いで、スリランカ政府の招きを受け貞一社長自らスリランカに赴きキューポラを設置。本当に大活躍でありましたね。あの頃の貞一社長は男の色気ムンムンで現地の女性にモテまくりでありましたが、それにはわき目も振らず同行した私の女房に執拗にチョッカイ掛けるのにはずばり参りました。まあ、そんな話は置いといて只今私体を悪くしまして寝たきり状態であります。日一日と老いてく訳ですが、毎年貞一社長から年賀状が届く度に今年も無事年を越せたと胸を撫で下ろす次第。私どものような年寄りにとって、年賀状は生存確認みたいなものでありますね。

麝香猫　あきらさん

もうお忘れの事と思いますが、以前出口貞一さまにトラックで跳ねられたものです。確か全治6ヶ月で入院生活を余儀なくされたわけですが、その後の事故処理は息子さんに一任されたあなたは極楽とんぼ状態。見舞いにみえた際、息子さんが土下座するうしろでヘラヘラと笑みを浮かべるそのお姿には私はもとより親族一同で頭に血が上る思いでありました。が、今思うにあれは貞一さまの照れ隠しであったんでしょうね。それも貞一さまの魅力のひとつでございます。あっ、今でも雨が降ると事故の古傷が痛みます。草々。

勅使河原　秀麻呂さん

ども、勅使河原クリーニングの秀麻呂です。クリーニングってのは腰を痛める作業が結構多く、僕もご多分に漏れず腰痛を患っちゃって、終いにはアイロン掛けも出来ない状態になったのには参りましたね。病院で打って貰うブロック注射も値段だけ高くて全然効かないし。そんな折、自ら調合した丸薬を持って貞一さんが尋ねてきたのにはびっくりしましたよ。コブシ大もある薬だったんで丸呑みするのに苦労しましたが、あれ飲みだしてから体軽いこと軽いこと。お陰で今でも昼夜問わず、現役でおれるんですがちょっと質問。あの丸薬には一体何が入ってるんでしょうか？最近、家族から獣臭いと言われて困ってます。