6月9日(水)

COMBAT WOUNDED VETERAN「DUCK DOWN FOR THE TORSO」

珍しくハイピッチにNOW LISTENING更新です。今回紹介するフロリダ産COMBAT WOUNDED VETERANは某レコード屋でMEN'S RECOVERY PROJECTに例えられてましたが、それはジャケのイラストだけじゃん!って感じで全然音違います。今作は2002年NO IDEAからリリースされた4曲入りミニアルバムでして、メチャクチャカッコ良いのですがラジオで紹介するタイミング外しちゃって・・。そのうち絶対流すつもりです。ではでは曲紹介。1曲目は乾いたドラムがドッタンドッタン叩く幕開けから、ザクザクヘビーギターが40秒過ぎに登場。そしてその後もう一本のギュイ〜ンギュイ〜ン唸る金属的ジャンクギター、ベースが徐々にお目見え。この溜めるイントロだけでかなりの勢いでやばいです、燃えます!そして2分半過ぎにブレイク後メタリックなリフが飛び出し、エフェクト咆哮ボーカルが突入。うんひゃろめ〜、めちゃくちゃかっこええぞ〜!!おそらくグイグイ押してくヘビーなリフは3本くらいのギターによるもんでしょうで、ものごっつう分厚いです。そして5分20秒で1曲目終了後、間を置かず怒涛のカオティックスピードチェーン!今畜生、鳥肌立っちゃうよ。ボーカル&コーラスも叫びまくりで、緩急付ける展開はお見事でありますね。途中入る不協和音ノイズギターフレーズもこれまたええ按配。2曲目はあっという間に2分切るくらいで終了。そして、若干キャッチーなリフからこれまた狂った激昂具合の3曲目。ベースもグイグイ大暴れで、相変わらずのヘビーリフでごり押ししまくり。徐々にバーストしてく狂ったような急展開に終盤はウニョウニョキーボードも参戦で1分20秒早漏中出しエクスタシー。で、最後の曲は虫が蠢くようなキーボードをバックに延々と女性ナレーションが入る意味不明ナンバー。う〜ん、全然物足りません。って感じで今回は少々取り乱してますが、ORCHID風味のアングリーなカオティック風味もありつつCONVERGE,DILLINGER ESCAPE PLAN辺りを経由し、BIG BLACK,RAPEMAN,JESUS LIZARD辺りを連想させるジャンク具合も少々で、激プッシュ!で、このバンド99年にアルバム出してるようで、それも気になりまくりなんですが今年の夏に7インチ、SPLIT曲、コンピ提供曲、未発表曲を収録したなんと42曲入りの編集盤がリリースされる模様!こりゃ〜、要チェックでございます。で、もう一つ面白いのがこのバンドのギターCHRIS NORRISさんはカオティック裏番長(何じゃそりゃ?)REVERSAL OF MANに一時参加してた模様。元FRODUSで現BLACK SEAのドラマーJASON HAMACHER氏もこの音源のみで叩いています!あとボーカルのPONCHさんはHOLY MOUNTAINってバンドもやってるようでこれまた気になりますね。って感じで彼らの事を気になるお奇特な方はNO IDEAのページにゴーでありまっせー。
6月7日(月)

SCRATCH ACID「THE GREATEST GIFT」

先週から色々忙しく更新さぼってました。で、本当だったら今回ALLOYとVIC BONDIのソロを紹介しようと思っていたんだけど、諸々あって今回はこの2枚。諸々は次のラジオ聴いてもらったら分かります。SCRATCH ACIDはテキサスを拠点に80年代中頃に活動していたバンドでDAVID YOW,DAVID WM SIMS,REY WASHAM,BRETT BRADFORDの4人組。このバンド解散後,DAVID WM SIMSとREY WASHAMはSTEVE ALBINIとRAPEMANを結成し、88年にEP「BUDD」89年にアルバム「TWO NUNS AND A PACK MULE」をリリースしその短い活動に幕を下ろし、その後DAVID WM SIMSはDAVID YOWとJESUS LIZARDを結成。って感じでRAPEMAN,JESUS LIZARDなど好きな人はやっぱこのバンドかなり気に入ると思います。影響的にはイギリスのPILやGANG OF FOURなど入ってるようですが、DAVID YOWの野蛮で粘りつくような雄叫びボーカルにゴツゴツした武骨な音作りはもうそれとは別もんになってますね。RAPEMANやBIG BLACKのような金属的ビート感はそんなになく、全体的にはミディアムテンポでドロドロした地獄絵図を繰り広げているんですがこれが聴けば聴くほど病み付きになる。このアルバムは彼らの全音源集で84年リリースのセルフタイトルのEP、86年のLP「JUST KEEP EATING」、87年のEP「BERSERKER」に1曲未発表曲をプラスした全28曲入りでして、彼らはこの編集盤と一緒でTOUCH&GOからリリースされたラスト作「BERSERKER」を一番お気に入りに上げてますが、僕としては84年リリースのEP収録の”MONSTERS""SHE SAID"のハイピッチなガチガチジャンクナンバーがやっぱ一番ツボだったりします。不協和音ギターにビチビチベース、性急なビート感う〜ん堪らん!本当にかっこええですな〜。で、このレビュー書くに当たってちょっと調べてみたんですがドラムのREY WASHAMって人は後期BIG BOYSやDIDJITSでも叩いてるんですね。MINISTRYやLARD(MINISTRYとDEAD KENNEDY'SのJELO BIAFRAの合体ユニット)、TADなんかにも関わってるみたいでこのおっさんもかなり面白い存在でありますね。そうそう、JESUS LIZARDと言えばIGUANARAMAって今で言うフジロックみたいなイベントで来日してたな〜。95年くらいのイベントでHOUSE OF PAIN(当時結構好きだったりした。笑)やDOG EAT DOG,BEATNUTS,BOREDOMS,SUPER JUNKY MONKEY,COCOBATなんか出てたようで、お客さんはガラガラだった模様ですがJESUS LIZARDのライブは観たかったやね〜。ともかくSCRATCH ACIDのウネリまくりのサウンドは一度触れてみる価値ありだと思いまっせー。最後に、どうでもいいけど裏ジャケに書いてあるALL SONGS PREVIOUSLY UNRELEASED EXCEPT 1-27ってのはギャグなんでしょうね。


5月25日(火)

ARTICLES OF FAITH「CORE」「GIVE THANKS」

この前のラジオ収録の時に岩佐君が色々CDを貸してくれて(って何度も借りてるのばかりだけど)ARTICLES OF FAITHの「CORE」を久々に聴いたんですが、いや〜やっぱかっこええわ。このバンドはVIC BONDIを中心にシカゴで1981年の秋に結成され85年夏にVICがボストン大学に進学する為解散したんですが、今日でも影響力かなりあって(日本ではいまいちか?)それも納得の極上のハードコアを聴かせてくれます。「CORE」は82年リリースのEP「WHAT WE WANT IS FREE」83年リリースのEP「WAIT」にコンピ参加曲、未発表音源を収録の全19曲でドイツの80年代USハードコア発掘レーベルBITZCOREから91年にリリースされたものです。そして僕が持ってる「GIVE THANKS」も同じくBITZCOREからのリリースで84年リリースの1stアルバムに2曲ボーナストラックを加えたもの。BITZCOREはFLAG OF DEMOCRACY,BLACK MARKET BABY,POISON IDEA,VERBAL ABUSE,OFFENDERSなど僕が大好きなバンドの音源を一時活発にボーナスを加えて再リリースしてましたが今はどうしてるんだろう?って僕が知らないだけか・・。ハイ話戻ってまずは「CORE」について。1曲目のミディアムテンポで始まり、サビで突っ走るドラマティックな展開で鳥肌立たせ、その後もひたすら飛ばしまくり。全体的にUSハードコア特有の軽さでドタバタ走りまくり、それに弾きまくるギター叫びながらもメロディーを追うボーカルが絡む。そしてなんと言っても曲が良過ぎ!荒削りながらフルスロットルな前のめり感とドラマティックな曲展開の融合は素晴らしいの一言!そしてアルバム「GIVE THANKS」はより整合感を増しそのサウンドに磨きを掛けてます。VIC BONDIは後にJONES VERY,ALLOYなどのバンドを結成するんですが、その伏線的なエモーショナル雰囲気もちょっと出てきてますね。ちなみにこのアルバムはHUSKER DU〜SUGARのBOB MOULDプロデュースでここら辺の繋がりもいいですね。僕は未聴なんですが86年にリリースされた彼らのラストアルバム「IN YOUR LIFE」もBOB MOULDプロデュースで、よりメロディックによりロックになってるようです。そして、僕がこのバンドそしてVIC BONDIに惹かれるのは博士号を待つ彼のインテリジェンスな考え方及びその後の経歴による所が多いかもですね。このバンドはボストン大学進学の為に解散したのですが、その前にも北イリノイ大学を退学してるようで結構ええ年しての大学進学だったんですね。僕も最近今大学行ったら、昔と違って貪欲に学びたいって気持ちあるんですがね〜。って全然関係ないや。そうそうDYS〜DAG NASTY〜ALL〜DOWN BY LAWのDAVE SMALLYEYも大学再入学組で彼とよく比較されてるよう。まあなんて言うだろうか、博士号がある人がハードコアそしてその後も音楽にとっぷり漬かり自分の音をひたすら追求し、そして自分の理念を主張する姿に惚れちゃうわけですよ。彼のその後のバンドALLOYやソロ作品も最近聴きまくってるんですが、それはまたの機会にレビューしますー。彼に興味ある方はDOLLの92年8月号インタビューや彼のページを見るのをお薦めしますっ。
5月15日(土)

VA「THIS IS CIRCUMSTANTIAL EVIDENCE DVD」

サンディエゴの変態レーベル31G。もうもう大好きなレーベルなんですが、この度その所属バンド9バンド収録のDVDがリリースされました、パチパチ。もうこのDVD濃いっすよ〜。映像としては意図的だと思うけど白黒にしてあったり斜を掛けたりして何らかの加工が各映像施してありますが、それがブートのライブビデオ観てるかのような錯覚に陥らせますね。が、その粗くバンドがくっきり観えない映像がライブな臨場感を生み出しまくり。では収録バンドを紹介。1バンド目はMOVING UNITS。3曲収録。ファンキーなリズムに手数多いドラム、くぐもったボーカルが醸し出すグルーヴ感堪らんです。”BETWEEN VA AND THEM"が個人的に大ヒット。序盤のリフが泣けますね〜。確か去年のLOCUST来日中止を受けて代打候補に上がってましたよね?う〜ん、ライブ観たい&音源聴きたい!次はJENNY PICCOLO。スタジオみたいな所でのライブでドラムの後ろからとらえた映像。向かい合って演奏するギター&ベースにそれを囲むお客さん。ファストコア〜パワーヴァイオレンスな数十秒で終わるショートナンバー連発の全6曲。叫びまくるボーカル&猛烈なスピードで暴走しまくりでメチャクチャカッコ良し!このバンド今は動いてないですよね?そしてGET HUSTLE。4曲収録。音源持ってるんですが、ライブだとその暗黒サウンドが際立ちますなー。音数を極力殺ぎ落とし、ピアノ、キーボード、ドラムがせめぎ合い、それに絡む全身を目一杯使い歌うボーカル。徐々にヒートアップしてく様がかっこええです。続くはCATTLE DECAPITATION。LOCUSTのGABEが在籍するバンドで音源ではデスメタルって印象を受けたんですが、このライブ映像では圧倒的にハードコア。グラインドな音圧に客席突っ込む咆哮ボーカル、キチガイテンションで飛ばしまくりで壮絶!映像観るにこのバンドってベースレスなのか。って感じであっという間の5曲収録。そして同じくLOCUSTのJUSTINがかつて在籍していたSWING KIDS。このライブ映像ってかなり貴重じゃないんじゃないでしょうか?初っ端のスネア張りまくった叩きまくるドラムからジャジィーなギターが絡み一気にスピードアップする”DISEASE”から燃えまくり!ワカメちゃんみたいな髪型のボーカルも吠えまくり。(笑)全4曲収録でラストの緩急付けて押し捲る”BLUE NOTE"で撃沈であります。続くはLOVE LIFE。名前よく聞くけど、音源未聴バンド。おどろおどろしくゴシックな雰囲気な這いずり回るようなサウンドで女性ボーカルがとても女と思えない声で唸ってます。ちょっとMOVING UNITSに近い感じもあって、なかなか面白いバンドですね。次はORTHRELM。このバンドは確かTROUBLEMANから音源出してますよね。以前FILE-UNDERで聴かしてもらってかなり気になっていたバンドです。音はドラム&ギターの2人組って事から分かるようにLIGHTNING BOLTやHELLA、あとLOADレーベルにいそうなテクニカルインストハードコアでもちろん彼らも超絶!1曲のみの収録ですがかなりのインパクトです。そしてTHE LOCUST!「BURN MY EYE!」やGRAVITYのDVDでライブ映像観た人結構いるじゃないでしょうか?はっきり言って、映像的にも暴れる客が観れるってことで「BURN MY EYE!」の方を推薦ですが、ここで見れる4曲もその粗い映像を逆手に取った臨場感がかなりのもんです。最後はTHE BLOOD BROTHERS。「MARCH ON ELECTRIC CHILDREN」から5曲収録。以前リリースされていた「JUNGLE RULES LIVE DVD」(このDVDって異様に音小さいですよね?)より俄然こっちの映像がやばいです!狂ってます!今もこれ書きながら頭振りまくりでありますよ。(笑)と、ボリューム、質ともに大充実な本作でありますが、おまけに各バンド1曲ずつスタジオトラックも聞けて嬉しい限りでありますよん!



HOME NOW LISTENINGのトップ