パンク学科 第五回講義


講師 当大学学長


どうもじゃ。今回は前回のイギリスに続いてアメリカじゃぞ。ほっ、ほっ。
基本的にメロコアって言われるバンドじゃなくて、オリジナルでメロディックな音を出しておるバンドを取り上げていくぞよ。
アメリカのメロディックなバンドの基本はやはりHUSKER DU、DESCENDENTSだろうよ。まあ、それ以外にも数々のバンドがメロディーを追っておったがな。

まあまあ、わしの青春の1ページを飾ったバンドたちの紹介といこうかよ。


*バンド名に下線があるバンドはバンドのページへのリンクが貼ってあります
(オフィシャルじゃないものもあり)

DAG NASTY/CAN I SAY&WIG OUT AT DENKO`S
(DISCORD)1986,1987

まあ、基本じゃな。元MINOR THREATのブライアンが中心となって結成。二代目ボーカルとして元DYSのデイヴ・スマイリィーが加入して発表された名盤じゃ!ソリッドでエッジの利いたギターにわしはヘロヘロなのよ。そして、デイヴの伸びやかで力強いボーカルがメロディックな曲をより一層引き立てておる。その後、進学問題でデイヴが脱退し、新しいボーカルが加入して発表されたのが「WIG OUT AT DENKO'S」こちらも悪くないのじゃが、やはり「CAN I SAY」にはかなわないの〜。もう、切ないアルバムじゃ。その後、デイヴはALLに加入した後、現在DOWN BY LAWで頑張っておる。かれらの1stももろDAG NASTYって感じで必聴じゃぞ!

SAMIAM/YOU ARE FREAKING ME OUT
(BURNING HEART)1997

SAMIAMは全部のアルバムがいいんじゃが、メジャーに切られて起死回生で作った本作を取り上げようかな。メジャーからの前作はちょっとパワーが足りんような感じじゃったが、本作で完全に一皮向けたの。迷いが吹っ切れたような素晴らしい出来具合じゃ。カリフォルニアの焼けるような太陽の下で、何でこんな暗くくすんだ音が出てくるのじゃ?!わしは不思議でならん。もう、とにかくのこのアルバムを聴いておると切なくて泣けてくるぞよ。でものそれだけじゃなく彼らの今の姿と重ね合わせて、励まされるんじゃ。そして、同じくBURNING HEARTから出た「ASTRAY」も本作以上に素晴らしい内容で、もうSAMIAM無しじゃ夜も寝れんぐらいじゃ。ひたすら、リスペクトじゃっー!

JAWBREAKER/DEAR YOU
(GEFFIN)1995

このアルバムが出た頃、熱心なファンの間では不評じゃった。少なくともわしの周りではの。そりゃの2nd「24 HOUR REVENGE 」も勢いがあり、名曲連発で素晴らしかったよ。でもの、そこで終わらないのが天才ブレイクの才能じゃ。あとにブレイクが結成するJETS TO BRAZILに通じるサウンドをすでにこのアルバムで完成させておるぞ。ミディアムテンポで始まり、ためにためてサビで切なくて背中で泣けるような大爆発!!すごいのじゃ!ブレイクのこもった独特の声質もわしのつぼ入りまくりじゃぞ。SAMIAM同様このアルバムもメジャーからで、結局売上が芳しくなくメジャーに潰されるような格好で解散。くそったれがっ!(目を剥く)あっ、すまんの。その後ブレイクがJETS TO BRAZILを結成し、現在の活躍はご存知の通りじゃ。もうすぐ、来日じゃ。ブレイク先生をやっと拝めるぞよ。

PEGBOY/STRONG REACTION
(TOUCH&GO)

NAKED RAYGUNらのメンバーによって結成されたシカゴのバンドじゃ。もう結構な年のおっさんがやっておるぞ。メンバーの写真を見て、この人たちがこの音をって感じでびっくりしたの。でも、数々のバンドを渡り歩いたベテランだけにこのサウンドが出せるんじゃ。切なく青臭いメロディーには体の震えが止まらんぞよ。男臭く野太いボーカルはSAMIAMを思い起こさせるの。音自体はカナダのDOUGH BOYSに似ておるような。そんなバンド知らないって?!こいつらもかっこよいから、また取り上げるぞよ。まあ、PEGBOYはたくさんアルバムを出しておるから、まめに中古盤屋に行けば見つかると思う。それにしても泣けるのぉ〜。

CRIMPSHRINE/DUCT TAPE SOUP C.D.
(LOOK OUT)

イーストベイパンクの大将の登場じゃ!LOOK OUTの初期のバンドはみんな彼らからの影響を少なからず受けておったじゃろうな。まあ、彼らが活動していたのが80年代の中頃から終わりにかけてで、その後GREEN DAY,OPERATION IVYが出てきたんじゃが。そのメロディックな中にもささくれだった荒さを含んだサウンドを見てもその影響は一目瞭然じゃ。(現在のGREEN DAYは知りません)あの頃のLOOK OUTは面白いバンドが次々出て目が離せなかったの。STIKKYとかの。まあ、話を戻そう。こいつらの魅力はジェフの声がまず一番。下手なんじゃが、まさにパンクって感じのRAWな声じゃぞ。そして演奏もガタガタなんじゃが、それもが味になるがさつでなおかつポップなメロディー。すべて含めてパンクじゃ!LOOKOUTから同時期に出た編集盤と合わせて聴くとよいぞ。

FIFTEEN/SWAN`S FIRST BIKE RIDE
(LOOK OUT)1991

そして、CRIMPSHRINE解散後ボーカルのジェフが結成したのが我が心の友FIFTEENじゃぞ。彼らは解散するまでに4〜5枚アルバムを出したんじゃが、やっぱり突き抜けてかっこいいのはこのファーストアルバムとセカンドじゃな。解散したって言っても、また最近再結成したがの。もちろん曲はCRIMPSHRINEの延長線上。どちらかって言うとFIFTEENのほうが歌重視で、ちょっとロックっぽい感じか。1曲目の緊迫感ある始まりはどうじゃ?メロ、メロでまたコーラスも含めてみんな音痴なんじゃ。もうもう、かっこよすぎ!ジャケのダサさもFIFTEENらしくってお茶目。全曲名曲揃いじゃぞ。涙なしには聴けないのぉ〜。うちのお袋もこのアルバムだけには、足向けて寝れないってよく言っていたもんじゃ。結論、FIFTEEN殿!愛と勇気をありがとうじゃ!!

PARASITES/PUNCH LINES
(SHREDDER)1993

ニュージャージのニッキー・パラサイツ率いるこのバンドは、わしの心の琴線を掴んで離さないのじゃ。ポップパンクかパワーポップかって考えるのが馬鹿馬鹿しくなるくらい名曲揃い。本当に作曲能力が卓越しており、パンクファンだけに留めておくのはもったいないバンドじゃ。ぜひとも、ギターポップス好きな子に聴かせたい!!うっ、うっ・・。すまんの〜。最近涙腺がゆるくなってきての。彼らの来日ライブを思い出してもた。20曲以上もほとんど曲間なし、MC無しでやられた日にはのぉ〜。わしの足腰もあれ以来弱くなってしもうた。彼らのライブ盤もWINGNUT RECORDSから出ておるからの、みんな彼らの素晴らしいライブを疑似体験したってくれ。1曲目「CRAZY」はわしの心の支えじゃ!

FASTBACKS/THE DAY THAT DIDN`T EXIST
(SPIN ART)1999

シアトルの姐御キム率いるFASTBACKS。もう別格じゃ!!ポップパンクの殿堂入り決定じゃ!活動もかれこれ15年以上やっているんじゃないかの。天才カート・ブロッチのギタープレイにも目を見張るもんがあるぞ。そして、キム姐御の外見から想像が出来ないかわいい声には本当に感服じゃ。さすが、POSIESのボーカルの大奥だけあるの。彼らのアルバムはどれもが素晴らしいのだが、わし個人としては「Z・KAR」がその出会いじゃったので、思い入れが人一倍あるが最新作の今作も最高じゃぁ〜!うぎゃー!!カートのもうひとつのバンドYOUNG FRESH FELLOWSも最高にかっこよいでの。またのカートのプロデュースした作品もかっこよいのが多いぞ。BUM,DEVIL DOGS,SIKCOなど凄すぎる才能じゃ。

THE MUFFS/BLONDER AND BLONDER
(REPRISE RECORDS)1995

THE MUFFSはガールズポップパンクにおいて、FASTBACKSと双璧をなすバンドじゃな。元PANDORASの女の子2人が中心となって結成されたバンドでな、1stはその2人のハーモニーがとてもわしの胸を熱くしてくれたの。あのアルバムは本当に名盤中の名盤じゃ。ここで紹介するべきなんだが、以前生徒に貸してあげたらそれっきりじゃ。ぷんぷん。このアルバムでは女の子が1人抜けてちょっと寂びしいんじゃが、どうしてどうして素晴らしい出来で君らにもお薦めじゃぞ!キム嬢の叫びはわしを天国へと誘うの・・。切なくそして力強いサウンドにお父さんノックアウト!この後のアルバムはちと出来が甘い気がするのじゃが、来日公演の素晴らしいライブは記憶に強く残っておる。もう、1回来ておくれ!でも、キムちゃん、気が強そうでちょっと怖いのぉ〜。

THE VACANT LOT/WRONG
(SHAKE RECORDS)1993

もうもう青春パワーポップパンクで母校の校庭を100周くらい走ったろかいな。若干PARASITESに通じるところもある清涼感のあるサウンドの青臭いことって言ったらの。もうティーンネイジアンセムじゃ!永遠の16才!(意味不明)このバンドはニューヨークのバンドでな。DEVIL DOGSとも親交が深かったそうな。実際バンドのリーダーのピートはDEVIL DOGSのスティーヴ、アンディーとRAT BASTARDSというバンド組んでおったしの。このアルバムの後、しばらく活動が途絶え、1995年に三枚目のアルバム「SHAKE WIELL」を出して消息不明に。惜しい。非常に惜しい。作曲能力が非凡なだけにの。とにかく、愛しのあの娘に振られた時には、これ聴いておもいっきり泣いちゃってくれ!!

BUM/SHAKE TOWN!RECORDED LIVE
(IMPOSIBLE)1994

BUM!BUM!!BUM!!!最高のバンドじゃ!!こいつらのアルバム「IN WANNA SMASH SENSATION」を聴いたことがあるか?何、聴いたことがない?!ばかもんがぁ〜!!これこそリアルメロディックじゃ!カナダの生んだ奇跡!それがBUMじゃぁ〜!!二人の青臭いボーカルが歌う究極の青春ナンバーの数々。もう、わしは泣いちゃうぞ。エ〜ン。わしが棺桶まで持っていくと決めとるアルバムじゃぞ。そんな彼らのライブ盤がこれじゃ。悪いわけがないの。「INSTANT KOOL AYD」でのロックンロールって言う叫びに心震えない生徒はいないじゃろな。これはスペインでのライブなんじゃが、観客とのコール&レスポンスも完璧で思わずわしも参加してもた。「プロミス・イズ・ア・プロミス」ってな。昨年ぐらいにシングルを作るために一回限りの再結成したそうじゃ。一回限りじゃなくて、ずっと続けておくれよ。頼むから!!(泣き崩れる)

LIFETIME/HELLO BASTARDS
(JADE TREE)1995

ラウドでエモーショナルの最上級サウンドを奏でる彼らの代表作。まんま、DAG NASTYじゃ!!このサウンドに琴線を振るわせられない生徒は落第じゃぞ。疾走感があり線の細いボーカルが歌う切ない曲の数々。嗚咽が止まらいでよ。素晴らしすぎる!彼らはニュージャージのバンドで、結構ストレイトエッジのバンドと活動を共にしておったそうな。それで、彼らもストレイトエッジって思われてたの。インタビューできっぱり否定しておったが。この後ちょっとメロコア的サウンドに接近して解散したの。そして、中心メンバーがKID DYNAMITEを結成。こちらもかっこよいので、またの機会に紹介するのじゃ。HUSKER DUのカバー「IT'S NOT FUNNY ANYMORE」ははまり過ぎでまさにって感じだの。

J CHURCH/THE DREAM OF ALIENATION
(HONEST DON`S)1996

CRINGERで活動していたランスのバンド。出身は確かハワイと思うぞ。CRINGERもかっこよいバンドじゃったが、J CHURCHが相手では分が悪いの。ところで彼らは何度か来日しているんじゃが、ランスを見たもんはおるか?おらんか。この素晴らしい美声から想像も出来ん、かなりやばい外見をしておって絶句って感じだったの。デブ、チビ、アジア系のその外見を見て、そこらへんの危ないおやじがライブに来ておるかって思ったぞ。ランス以外のメンバーがいつも同行しないのも謎じゃ。わしが見たときは一緒に来日したPROPAGANDHIのメンバーがヘルプで演奏しておったの。まあ、そんなことはどうでも良い。BECKのツアーメンバーも務めたランスの抜群なギタープレイがメロメロに展開される。本当に歌心がある名曲の連発には参ってしまうの。

ARMCHAIR MARTIAN/MONSTERS ALWAYS SCREAM
(MY RECORDS)1997

このバンドについて何も情報がないんじゃ・・。レコード屋の「HUSKER DU直系サウンド!」って言葉につられて買ったんじゃ。聴いてみたら腰砕けたの。素晴らしすぎる!音としてはMOVING TARGETS,STARMARKETなんかを思い起こさせるの。メンバーの写真から見て、かなり年いってそうだの。色んなバンドを経験した強者だと思うぞ。そうじゃなかったら、こんな味わい深い音を出せんじゃろな。なんか知っておる生徒がいたら、こそっと教えてくれの。もう一枚「XENOPHOBE」というシングルも出ておるが、こちらも涙なしには聴けない大人のパンクサウンドじゃ!!嫁を質に入れてでも、聴いてやっておくれ。

TILT/'TIL IT KILLS
(FAT)1994

CRIMPSHRINEのピートが在籍していたバンドじゃ。このアルバムは2枚目で、ピートがいたのはLOOKOUTからの前作までじゃ。女の子ながら力強く伸びやかなボーカルにピートのコーラスが絡まる前作は最高にかっこよい!日本のCIGARETTEMANもこのバンドの影響を受けておるそうだが、ピートのボーカルスタイルなんか魚住氏のそれとかなり共通点を見出せるもんのぉ。しかし、このバンドが自分達の音を手にしたのはこのアルバムからだとわしは思うぞよ。曲が突き抜けて良いぞ!!より力強くなったボーカルも完璧じゃ。来日を楽しみにしておったが、諸事情によって来れんかったのは非常に残念だった。その諸事情って麻薬かいの?いかん、つい口が滑ってもた。

HAG FISH/ROCKS YOUR LAME ASS
(LONDON)1995

ダラスから来た伊達男達の登場じゃ!全DESCENDENTS〜ALLフアン必聴の素晴らしすぎる出来!!このアルバムもわしの棺桶に入れておくれの。プロデュースはもちろん黄金コンビALLのビルとステファン!案外わしの中ではALLを越えちゃったって感じじゃの。とぼけた感じの鼻声ボーカルのかっこよいことって言ったら。曲もポップ、ポップで泣けちゃう名曲揃いじゃっ〜!この後もう一枚アルバムを出しておる。そちらも勿論かっこよいぞ。あと凄いのが彼らのライブ盤じゃ!むこうではかなりの人気者みたいで盛り上がっておるぞ。これもお薦めじゃ。是非とも来日してもらいたいバンド。客入らんと思うけど、誰か呼んで!えっ?お前が呼べ?!!?

BRACKET/WHEN ALL ELSE FAILS
(FAT)

メロコアブームってのはクソだと思うけどにゃ。彼らみたいなバンドが出てくるからの。アメリカの片田舎からこんなバンドを見付けてくるのは偉いのだ!ファット・マイク!(でも、「RIBBED」が出た当時のNOFXは大好きでした!)BRACKETの魅力はマーティーの天才的な作曲能力とその涙腺を緩める渋いボーカルじゃの。カントリー、ブルース、アメリカンロックとかの影響を受けたであろうそのバラエティーに富んだ楽曲はパンクだけのもんにしとけんの。実際カントリーの曲も作っておるらしいが、FAT WRECKにふさわしくないって理由で却下されてるみたいじゃ。もったいない!!FATから出てこそ、彼らの可能性が広がるってもんじゃ。来日公演を昨日のように思い出すの。なんか、酔っ払って暴れとったような記憶もあるの・・・・。


以上じゃ。って言っても、まだまだ紹介しきれん。次回もアメリカの素晴らしいバンドの紹介といこうかの。

あっ?お尻のこのなまあたたかい感触は?!でちゃった?