第五回 集中講義


講師 イアン・マッキンリー

どうもどうも。今回も日本の轟音バンド紹介です。結構パンクよりかな?まあ、行ってみましょう!

TEENGENERATE/SMASH HITS!
(ESTRUS)

日本のガレージパンクシーンを代表するバンドでした。前身はAMERUCAN SOUL SPIDERS。このアルバムはシングルを集めたもんみたいです。もう、最初から最後までケツに火がついたロックン・ロールナンバーの目白押しです。僕はガレージというのはあまり好んで聴かないのですが、こう言ったパンクロックのスタイルに近い音は大好き!そう、DEVIL DOGSなんかは大好物です。あっ、TEENGENERATEの話ですね。彼らは海外の評価も高く、CRYPT,SYMPATHYなんかからもアルバム出てますね。そして、残念ながら解散するのですが、現在はFIRESTARTAR,TWEEZERSなどで活躍中です。

RONRON CLOU/FIRST ALBUM
(KOGA)

ロンロン・クルーは本当に良いバンドですね〜。僕の印象としてはPARASITES,VACANT LOTなんかのパワーポップテイスト溢れるポップパンクと共通項を感じてしまいます。音としては、パンクというよりもっとシンプルですけど。ディストーションバリバリって感じでもないし。まあ、とにかく曲が青春って感じでいいですよ。こういうのに僕みたいなおじさんは弱いんだな〜。現在ボーカルの新井さんはメジャーでノーザン・ブライトってバンドもやられていて、それと平行する感じの活動なのかな?これ以後アルバムは出ていません・・。でも、シングルを年一回くらいのペースで出していて、シングル曲はもちろんカヴァー曲が結構楽しめます。バラクーダーズ、トイ・ドールズ、ヴェルヴェット・クラッシュとかとか。

DISGUSTEENS/ST
(MARUTAKE RECORDS)

このバンドはGROCKEY'S REVENGE,LIFE BALL,BLEWなんかのメンバーによって結成されたバンドですね。音としてはラモーンズに影響を受けたパンクロックです。同じくラモーンパンクのSCREECHING WEASELにかなり音としては近いかな?って言うか、こちらの影響がかなり強いような感じです。ポップポップでコーラスも決まりまくり、もうもうHAVE FUNです!しかし、このバンドの本領発揮はやっぱライブでしょうね。以前観たライブは鮮明に頭に焼きついています。あ〜、かっこよかったな〜。(頬を赤らめる)もちろん皮ジャンでしたしね〜。そうそうセカンドアルバム「SONGS FOR SWINGING LOSERS」はまだ買ってないもんで、今から買いに走りま〜す。
LIFE BALL/STEP WISE
(TIME BOMB)

上記のDISGUSTEENSのメンバーの二人が以前、在籍していたバンドです。もう伝説のバンドじゃないでしょうか?音としてはスカのカッティングが入ったポップパンクと言った感じです。って聴いてもらえばわかると思いますが、それが素晴らしい過ぎるですよ。当時BLUE HEARTS meets SKAと言われていましたが、確かにボーカルの熱さはそれに近いもんがありますね。今、久しぶりに聴いてもボーカルの声が胸を打ちます。(涙)曲も海外のバンドの影響を受けた感じがなく、凄く個性的です。解散直前のライブを名古屋で観たんですけど、1曲目の「TREE SONG」が始まった瞬間、ダイブしてましたね。普段はしないんだけど・・。なんか、本当に無垢で飾り気のないそのサウンドに僕の頭も真っ白になったんでしょうね。遠い昔の話です・・。

SNATHER&MIDDISHADE/CROSSING POINT
(PET SOUNDS)

SNATHERとMIDDISHADEのスピリットです。まずはSNATHERからですね。1曲目のギターの出だしからしてやばいです。もう、叙情系というか涙腺をガンガン緩めてくれます。イギリスのバンドみたいな陰りのあるサウンドでまさに男泣きって感じで。お父さんたまりません・・。2曲目はビデオ「生2」に収録されている曲ですね。これまた、やばいですね。本当にこのバンドはいいメロディーを書きます。ボーカルも伸びやかで説得力があり、もう僕の心を鷲づかみです。単独音源も出てるみたいですね。これまた買いに走らないと。一方、MIDDISHADEもSNATHERとかなり共通項が見られます。なんか、昔のSAMIAM,SHADES APARTを思い出しましたね。個人的にはSNATHERのほうが好きです。両方かっこいいですけどね。

POPCATCHER/POIKILOTHERMS
(BAD NEWS)

結成は95年なので結構なキャリアがありますね。その当時はPOP CAPTAINという名前でしたが。このアルバムの前にもシングル、ミニアルバムなどをリリースしていましたが、ポップパンクといった感じでした。まあ、その頃からかなり良い曲を書いていたのですが、このアルバムでその才能が一気に開花しました。アルバム出だしはGET UP KIDS,STARMARKET,WEEZERを思わすような曲が2曲続きます。その2曲からして今までの音との違いは一目瞭然。日本語で歌ってるし。その後のメディアムテンポの曲もこんなにいい曲書くバンドだった?って感じで凄いですね。ここまでいったら、メジャーに行ってより多い人に聴いてもらったほうが良いと思いますね。SUPERCAR,NUMBER GIRLとか好きな人は案外気に入ると思うけどな〜。

THE CARNIVAL OF DARK-SPLIT/FOCUS
(HG FACT)

前回の講義で紹介したBORN SCRATCHのメンバーが在籍するバンド。BORN SCRATCH解散後、UNFRAYEDを経てこのバンドを結成したみたいです。そう前回の講義で名前の解らなかったバンドがUNFRAYEDです。そして、このバンドなんですがキウイロール、GUMNAPERSのメンバーも在籍しています。正に札幌ハードコアオールスターって感じのメンツですね〜。音の方ですが、BORN SCRATCHをより発展させたカオティックハードコアで物凄い事になってますよ。メンバーが好んで聴いている(?)サンディエゴなどのハードコア、ポストハードコア、そしてメタルの要素がひとつになって、猛攻撃を仕掛けてきます。時折、入る怪しげなキーボード(?)の音色もより激情感を高めています。

NINE DAYS WONDER/THE SCENERY IS IN DISGUISE THERE
(DIM MAK)

この前、来日したNO KNIFEとのツアーも好評だったNINE DAYS WONDERのアルバムです。こういうバンドがやっと出てきたといった感じですね。BLUE BEARDもそうですが。レーベルもポスト・ハードコア界隈では有名なDIK MAKですし、世界に通用するバンドだと思います。エモーショナルに歌い上げる曲は心に染み渡ります。またサンディエゴのDRIVE LIKE JEHU〜PITCHFORKっぽい激情ナンバーもかっこいいですね。(鼻の下を伸ばす)まあ、その両方の要素が混ざり合ってこのバンドの音となっている感じです。とにもかくにも、ライブを是非とも観たいバンドです。そう、NO KNIFEの来日には行ってません、僕。だって、NO KNIFEはあまり好みじゃないですから・・。
THE URCHIN/FRAGILE SONGS IN LUKEWARM DREAMS
(SNUFFY SMILE)

JUST ONE DAY,BLEW,MIDDISHADEのメンバーによって結成されたのがこのバンド。メロディーを大切にしながらも、パンクロックらしい荒々しさもあわせ持つ魅力的なバンドです。疾走感のあるサウンドに、極上のパンキッシュなメロディーがのるそのスタイルは、アメリカのDILLINGER FOURを思い出しました。やっぱ、それぞれのバンドを経て、結成されたバンドですからセンスも違うのでしょうね。このアルバムは1枚目なんですが、2枚目「ANOTHER DAY,ANOTHER SORRY STATE」も出てますので、あわせて聴いてやってくださいね!そう、年甲斐もなく男泣きしたいあなた方にうってつけですよ。

BLOW ONE'S COOL/EVIL NIPPLE SESSION
(TIME BOMB)

90年代初頭に京都で結成されたパンクバンドです。活動自体はそんなになかったと思うけど、今ほど巷にメロディックなパンクが溢れてなかった当時において結構インパクトありました。メロディックといっても、パンク本来の荒削りで激しい部分は存分に残っているのでご安心を。なんか、rawな勢いをもったまま、メロディーをのせるそのスタイルはやっぱセンスがないと出来ないでしょうね〜。うんうん。そして、このアルバムなんですが、彼らのシングル、ミニアルバム、ライブ、未発表曲を網羅した全27曲入りで、もう一家に一枚的な素晴らしい代物です。特にいぶし銀は「1.2.FUCK U」でしょう。この曲は本当にかっこいいね〜。当時の思い出が走馬灯のようによみがえってくる。よし、ひと暴れしようかな・・。

FIRST ALERT/THRILLS AND SPILLS OF 48 HOURS
(TIME BOMB)

上記のBLOW ONE'S COOLを前身とするFIRST ALERT。BLOW ONE'S COOLとは全然サウンドスタイルは違うけど、これまたいいバンドなんですよ。70年代パンクが持っていたポップな部分が溢れまくるご機嫌なアルバムです。こういうバンドはギターポップ、パワーポップファンにも是非とも聴いてもらいたいですね。きっとはまると思います。うんうん。ボーカルとかも繊細かつ芸が細かい!あの時代のパンクの雰囲気を醸し出しまくりです。BLOW ONE'S COOLもそうだけど、本当にセンスがあります。個人的には6曲目「SWEET RADIO」がBUZZCOCKSっぽくて大好きです♪4曲入りEP「ON SECRET MISSION」も出てます。
BLEW/YOU'RE NOT THE ONLY ONE
((BROKEN REKIDS)

いや〜、青春ですね。1枚目「ACCIDENT」もなかなかカッコよかったけど、やっぱBLEWはこのアルバムでしょう。このアルバムは日本盤11曲にスピリットの曲、ライブ曲を足した全16曲入りのお買い得盤です。1曲目からもうもう青春パワーポップパンクって感じで、お父さん涙が止まりません・・。ぐすん・・。そして、ボーカルの青臭くひたむきな声が僕の胸をぐいぐい締め付けます。堪りません・・。(涙)また、JAWBREAKERっぽい曲も何曲かあり、それまた良いですよ!個人的には3曲目「PROMISES」が一番好きですね〜。哀愁ある疾走ナンバーで青春です!頼りなげなコーラスもこれまた青春です!!現在は解散していて、SOON,URCHINなどのバンドをやられてます。

RED HOT ROCKIN' HOOD/ST
(PHALANX RECORDS)

1995年に出た1枚目です。サイコビリーには興味があるんだけど、あまり聴いたことありません。このバンドもサイコビリーのスタイルをとってますが、もうなんて言うかハチャメチャです。メンバーの入れ替わりが激しくこのアルバムに参加している5人のうち、今でもこのバンドにいるのは2人のみです。その混乱期ゆえか、サイコビリーにとどまらず、スカっぽい曲あり、ポップパンクっぽい曲あり、COW PUNKぽいものまで。しまいにはNENAの「99ロックバルーン」のカバーまで飛び出す始末。もうもう、最高に楽しいアルバムです。現在はハチャメチャさは消えましたが、男っぽいサイコビリーサウンドで僕の心を離してくれません。脱退したメンバーのバンドも全部個性的でこれまた大好きです♪

THREE MINUTE MOVIE/ANOTHER NIGHT,EXCHANGED LETTERS
(SNUFFY SMILE)

WALL,PAUSEのメンバーによるバンドの2枚目です。本当はWALLも紹介してかったんだけど、現在CDが行方不明で見かけた方はご一報を。WALLは僕だけかもしれないけど、結構BRAIDと重なる部分があって本当によく聴いたな〜。そして、このバンドなんですけど、1枚目はそのWALLの延長線上の音で相変わらずかっこいいな〜って思ってました。しかし、この2枚目でいい意味で期待を裏切ってくれました。ポストハードコアの影響は何処へやらの激メロディックサウンドに僕は腰砕けです。本当に自分たちの音を手に入れたって感じですね。なんか音の雰囲気がBENCH WARMER〜SEASONと共通項を見出せます。ともに兄弟がいるバンドだしねって関係ないか・・。

NUDGE 'EM ALL/THE MUSIC IS PLAYING INSIDE MY HEAD
(KOGA)

KOGAは本当にいいバンドを次から次から出してきますね〜。このバンドも最高にかっこいいです!RON RON CLOU,初期PLAYMATESなどに通じるパワーポップを聴かせてくれます。昔はもっとメロディックパンクっぽい感じだったけど、もう違う次元に行ってますね。まあ、昔から本当に良い曲を書くバンドだったので、どう転んでもかっこいいのですが、マジにこのアルバムは傑作です。ちょっとマジービートを思い起こさせる良質の曲の数々、そして甘いボーカル。もうもう、青春で〜す。PARASITES,VACANT LOT,YUM YUMSなんか好きな人は絶対気に入ると思います。

SPROCKET WHEEL/ST
(BROKEN REKIDS)

今は亡きバンドですが、大好きなので紹介します。彼らのライブは3,4回観てると思いますけど、初めて観たときは腰を抜かしました。ボーカルが叫びまくって、メロディーもラフで、なんかささくれ立っていました。まさにパンクって感じで。彼らのサウンドスタイルはずばりイーストベイパンクでしょう。演奏はお世辞にもうまくないし、歌も歌っているというか叫んでるって感じだし、そしてひたすら熱いそのサウンドはまさにイーストペイ!CRIMPSHRINE〜FIFTEENを思い起こさせます。まんまFIFTEENって感じの曲もあるしね。解散後はWATER CLOSET,CRADLE TO GRAVEなどを結成して、現在も活躍中。また、ベストアルバム(コンプリート盤?)的2枚組のアルバムも発売されてます。

REGISTRATORS/SIXTEEN WIRES FROM THE NEW PROVOCATE
(MANGROVE RECORDS)

このアルバムは2枚目ですね。1枚目「TERMINAL BOREDOM」も文句無しのカッコよさだったけど、このアルバムもまたいいんだな〜。1枚目のような70’sスタイルのラフなパンクロックは若干弱くなったけど、メロディーが全面に出て聴き応えありですよ。初期パンクの持っていたポップの要素をうまく注入したそのサウンドは、センスの塊です。TEENGENERATE〜FIRESTARTER、BLOW ONE'S COOL〜FIRST ALERTのようにパンクから始まったバンドが、パワーポップ的良質なメロディーを追っていくのは非常に潔く感じます。このアルバムの個人的ベストトラックは4曲目「SENSITIVE SPOT」!ハモリまくりで最高にいい曲です♪3枚目「VELOCITY」とレアトラック、シングルなどを収めた編集盤も発売中です。みなさん、こぞって聴きましょう〜!

以上ですね。次回は色んなジャンルのミュージックビデオでも取り上げようかな〜。