ギターポップ学科 第三回講義

USA INDIE POP


講師 ノーマン・ブレイキ


皆さん!前回の授業は取り乱してすいませんでした。今回はあんなことがないように、いっぱい薬を飲んできたのでご安心してください!

今回はアメリカのインディーポップ特集です。キンダーコア、エレファント6などアセンズ周辺のバンドを中心に紹介していきます。
彼らの魅力はサウンドは勿論、その交流にあると思います。グラスゴーの一連のバンドたちと同様、バンドたちが友達でお互いに影響を与え合い、またレコーディング、ライブがあればみんなが駆けつける。同じ趣向を持った仲間達が作り出すコミニティー。まさに、スモール・サークル・オブ・フレンズですね。その楽しさが伝わってくるのが最大の魅力と言えるかもしれません。

それでは僕ノーマン・ブレイキのお気に入りバンドを紹介していきたいと思います。
(なかなか、今日は調子いいな)


THE APPLES IN STREO/TONE SOUL EVOLUTION
(SPINART/ELEPHANT6)1997

コロラドのデンバーを拠点とするご存知エレファント6の看板バンド。っていうかこのバンドのリーダー ロバート・シュナイダーこそレーベルの設立者なんだけど。
前作の「FUN TRICK NOISEMAKER」でのおもちゃ箱をひっくり返したようなサウンドに心つかまれて。二枚目がこのアルバムなんだけど。前作より音の輪郭がはっきりし、浮遊感みたいなのは影を潜めたけど、僕はずばりこれが好きなんです。
ギターが前面に出て曲が切なくていいんだな。ティーンネイジ・ファンクラブっぽい曲もあってね。歌姫ヒラリーがメインの曲にはやられちゃいますね。
(にやける)
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BEULAH/WHEN YOUR HEARTSTRINGS BREAK
(SUGAR FREE/ELEPHANT6)1999

1stをエレファントより出し、これが2ndアルバム。サンフランシスコの5人組です。参加演奏者総勢18人ですよ!チェロから、ヴァイオリン、フルートってなんでもあり。まあ、このあたりのバンドはみんなそうなんだけど。ビートルズに通じるポシティブなドリーミングサウンドにはやられること必至です。もう、はずしようのないポップアルバムです。エレファント6のバンド全部に言えるけど、この抜け具合もいいですね。もちろん、ロバートをはじめお友達多数参加。2000年にはサードを発売。
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ELF POWER/COME ON
(NEW NOISE)

アセンズの男女混成4人組。サードアルバム「A DREAM IN SOUND」も最高だったけど、このカバーアルバムにはやられますよ!特に1曲目ですね。ソニックユースの曲と思うけど、このノイジィーではちゃめちゃなポップなサウンドには胸がキュンとなりました。
本来の彼らのサウンドとはかなり違うけどね。まあ、なんていうかジゴロアンツがスミスの「ASK」をカバーしましたよね。彼らがあれを越えれないようなもんです。うーん、意味不明ですね。とにかく、アルバム共々必聴です。ボーカルの女の子みたいな声も聴き所。
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THE MINDERS/HOORAY FOR TUESDAY
(SPINART/ELEPHANT6)1998

デンバー出身のマインダーズ。ドラムが女の子の4人組ですね。サウンドはもろ60年代です。ビートルズ、キンクスなどのあれです。それにエレファント6らしい遊び心を加えた楽しいサウンドですね。
それにしても、ここら辺のバンドは男女混成が多いですね。う、うらやましい限りです。ぼ、僕なんか男の子の友達もいないのに・・・。
(自らの手の震えに気付き、顔面を硬直させる)
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OF MONTREAL/THE BIRD WHO CONTINUES TO EAT・・・
(KINDERCORE)1998

エレファント6とも非常に関係の深い彼らのアルバム。「THE BEDSIDE DRAMA・・・」もよかったけど、僕はこのアルバム。メランコリックでしょぼいけど切ない曲の数々。
ボーカルの頼りなげなところも味を加えてますね。まさに哀愁って感じです。
ここら辺のバンドの子って、きっとあまりもてないんだろうね。フっとそんなことを感じました。(勝ち誇ったように)
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DRESSY BESSY/PINK HEARTS YELLOW MOONS
(KINDERCORE)1998

これまたデンバーのバンドの登場です。同じくデンバーのアップル・イン・ステレオのギター、ジョンも参加の夢見る乙女バンドですよ。このバンドのメインはお姫様タミーちゃん。
もう、彼女の歌声が僕を夢世界にトリップさせてくれます。その甘い歌声には皆さん十分注意してくださいね。曲も楽しくて切なくて、60年代ポップのいいとこ取りです。他のバンドと比べシンプルな音ですが心に染みます。
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THE TEACUPS/THIS WILL COME BACK TO KAUNT YOU
(KINDERCORE)1998

このバンドの情報はあまり知らないんですけど・・・。(生徒からブーイング)あ、あ、静かに!え、えっとこのバンドはボーカルの声が一番の特徴ですね。元ビートハプニングのキャルビンにつうじる低い低い声。これがすべて!その声と女の子のボーカルがはもる1曲目は究極のナンバーです。甘く切なくって仕方ない。ウーン、なんかヴァセリンズを思い出させますね。
MASTERS OF THE HEMISPHERE/ST
(KINDERCORE)1998

このバンドの登場が日本でのキンダーコア認知度をを決定づけました。そらそうでしょう。曲がずば抜けていますから。シンプルで飾り気がないんだけど、歌心があります!
雨の降っているジャケットがそのサウンドを物語っています。悲しく、寂しく、切なく、やりきれない。なんか、悲しくなってきますね。しかしね、生徒の皆さん!このアルバムは中毒性がありますから聴きすぎに注意しましょうね。2000年にアルバム発売されました。
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THE MENDOZA LINE/I LIKE YOU ,YOU`RE NOT AROUND
(KINDERCORE)1998

アセンズの男女混成7人のバンドです。これはミニアルバムに続いてでたアルバムですよ。ちなみにジャケはメンバーの一人。う、美しい!叙情性があるサウンドで幕をあげますが、二人のソングライターがいるからか,かなりバラエティーに富んだ曲構成です。中盤から疾走感のあるポップナンバーがポツポツ現れ。後半、轟音ナンバーも収録されてます。すごくかっこよいですね。
アルバムを通して楽しめる内容になってます。案外僕はこのバンドが一番好きかも。
(顔を赤らめ、しきりに時計を気にする)
KITTY CRAFT/BEATS AND BREAKS FROM THE FLOWER PATCH
(KINDERCORE)1998

バンドじゃなくパメラちゃんの一人ユニットです。ジャケから想像していたのはドレッシィー・ベッシィーみたいなカラフルなポップな音でした。実際は、サンプリングした音をループさせ、それをバックにパメラちゃん淡々と歌い上げてます。きらびやかな音じゃないけど、これはくせになりますね。パメラちゃんもかわいいことだし、最高です!にひっ。
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THE BOYISH CHARMS/THE EXTENDED-PLAYING PARADOX
(HUB CITY)1998

このバンドもアセンズ周辺のバンドですね。三人組ですね。完全手作りのジャケ、歌詞カードがすべてを物語っています。アコースティックで清涼感のあるサウンド。他のバンドほど凝ったつくりの音じゃないですけど、シンプルで温かみのある音が僕の後ろ髪を引っ張ります。どちらかと言うとグラスゴー的なバンドですね。グラスゴォ〜!!(おもむろに大量の錠剤を口に放り込む)
FABLEFACTORY/AMERICAN CUSTARD
(RED CARPET RING)1999

こちらもアセンズらしく4人のメンバー以外に18人も演奏に参加しています。とぼけたボーカルが味を添える摩訶不思議のパワーポップ!!もう、ノリノリって感じでとても楽しい内容となっていますねぇ〜。サウンド自体はアセンズらしくないのですが、もうこのポップさはほとっけないでしょう。ねえ、皆さん!なんだか、楽しくなってきたなぁ。
CHOCOLATE USA/ALL JETS ARE GONNA FALL TODAY
(BAR/NONE)1992

現MUSIC TAPESのジュリアン・コスターの前のバンド。このアルバムはクアトロから発売された1st,2ndのカップリングのお徳盤ですよ。音のコラージュがユニークで遊び心があり、ころころ変わるかわいいサウンドは非常に面白いですね。WEENみたいですね。さすが、アセンズ人脈に深くかかわる変態親父のことだけあります。僕もこうありたい!!うきぃっー!!(目がいっちゃった)

THE OLVIA TREMAR CONTROL/BLACK FOLIAGE
(FLYDADDY)1999

APPLE IN STEREOのロバート・シュナイダー、NEUTRAL MILK HOTELのジェフ・マンガム、そしてこのバンドのウィル・カレン・ハート、ビル・ドス、この4人が学生時代にデモテープを作って、遊びでやりはじめたのがエレファント6。すべてがここからはじまり、そして、90年代のインディーポップの歴史を塗り変えたのです。アセンズという田舎町が!
このアルバム?素晴らしいに決まっているじゃないですか!エレファント6オールスター集結のこのアルバムですよ!あ、遊び感覚満載!曲間も間奏曲を流し、いつのまにか28曲!
サイケで、ポップで、もう頭割れそうぉ〜!!うぎゃぁ〜!!!!
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そして、ノーマン・ブレイキ講師は救急車で運ばれ、どこか遠くの病院に運ばれたそうです。
彼はもはや生きる屍です。

当大学は早急に新しい講師を雇い入れ、次回の講義に備えることを約束します!

最後に講師ノーマン・ブレイキのご冥福を祈って、全員黙とう!!