パンク学科 第一回講義



講師 当大学学長

今回は、ディッキーズなんじゃが。ここで質問!DOLLのパンク天国3を持っているもの?ウッ、少ないの〜。あれは、重要な文献じゃけん、今日にでも買うこと。これ最初の課題ね。

ディッキーズが1977年に結成されたのはもうごぞんじゃナ。ギターのスタン・リー、ヴォーカルのレナード・フィリップスが中心メンバーじゃ。RAMONES,DAMNED,SEXPISTOLSの影響を受けての結成のようじゃ。今年で24年。パンクバンドでこれだけ長いバンドは、わしの記憶ではまずおらんじゃろ。なぜ、ラモ−ンズがあれだけ評価されて、ディッキーズは全然なんじゃろ?不思議でたまらんなぁ〜。

THE INCREDIBLE SHRINKING DICKIES

諸君!注目!!そこの学生しゃべらない!1979年にメジャーA&Mから発表された1STアルバム。結成当初からアメリカよりイギリスで人気があったことがわかる明るい音じゃぞ。なんせ、あのころのアメリカのパンクは暗かったからの。ラーモンズとバズコックスを足して、カルフォニアの太陽の下で天日干ししたかのような素晴らしいアルバムぞな。おなじみブラックサバスのパラノイド収録。
DAWN OF THE DICKIES

一曲目、超名曲!!すまん、言葉を取り乱したの。前作もかなりの作曲能力じゃったが、今作はよりPOPになってディッキーズの代表作といえるんじゃないがの。ディッキーズは、シングル、アルバムでよくカバー曲を取り上げるのじゃが、選曲とアレンジがずば抜けており、素晴らしいの一言。ここでも、ムーディ・ブルースを取り上げておる。
このアルバム後、キーボード、ドラムのチャック・ワゴンが亡くなったそうな。(涙)自殺と言われておるが、どうもかなりのアル中だったらしいよな。

STUKAS OVER DISNEYLAND

これは、そのチャック・ワゴン在籍時の4曲、80年の録音じゃな。それにヴォーカル、ギター以外のメンバーを一新した83年の4曲をプラスしたものじゃ。亡くなったチャック・ワゴンに捧げられた「Wagon train」が入っておるぞ。このアルバムもなかなかのもんじゃが、前2作と比べると小粒の印象が拭いきれんな。レッド・ツェッペリンのカバー収録。
コラ!いい加減おしゃべりをやめなさい!
IDJIT SAVANT

このアルバムの前に「SECOND COMING」と言うアルバムがあるのじゃが、どこぞにいってしもうた。メンバーも言っておるが、2ndを出した後メジャーには切られるわ、ドラッグにははまるわで音楽的にも不遇時代が続いておった。前作、今作はまさにそんな時代のディッキ−ちゃんじゃ。確かに首をひねる曲もあるんじゃが、良い曲もぽつぽつあるでよ。名曲Just say yesも収録じゃ。
LOCKED`N`LOADED

90年ロンドンで録音されたライブ盤。これは強力じゃぞ。1st,2ndの名曲目白押し。君たちのような初心者はこれから入るのがベストじゃな、うん。またな、アレンジも原曲をかなり早く演奏しており、もうノリノリじゃ。
ディッキーズの曲の良さが嫌というほど堪能できるでよ。
そこ!居眠りしない!!(怒)
STILL GOT LIVE,EVEN IF YOU DON`T WANT IT

ブートではないと思うんじゃが、それに近い音の悪いデモとライブの寄せ集めじゃ。じゃが、初期メンバーによるライブは貴重。特に「Eve of destraction」のライブ音源はめちゃくちゃかっこいいじゃ!
音のバランスでの偶然だと思うが、ベースがブリブリでこの一曲のために買っても損はないぞな。
DOGS FROM THE HARE THAT BIT US

不遇時代を乗り越え、復活の兆しが見え始めたアルバムじゃ。(拍手)うん、うん、なんか涙が出てきたぞえ。ただしカバーアルバムじゃがな。ビートルズ、ナック、ユーライア・ヒープ、Weirdosなどなんでもありじゃ。カバーはディッキーズのお得意技。すべてディッキ−色じゃ。
ディッキーズの曲Gigantorからバンド名をつけたドイツのバンドもカバーが素晴らしかったの。特に日本のパンクバンドをカバーしたシングルは出色の出来じゃった。
ROCKED&ROADED(VTR)

2000年春、ディッキーズはこの日本の地を踏んだ(涙)。あっ、ハンカチすまんの〜。名古屋のThis is the modern worldが呼んだのじゃ。素晴らしい!!全19曲。作り手の愛情がにじみ出とるビデオじゃ。パンクスも、クラストも、親父も、子供も、ノリノリのその映像に感無量じゃ。若干年齢のせいか勢いがないような感じは仕方あるまい。
もう何も言うまい。あっぱれ!よきにはからえ!!

ディッキ−ズの歴史を振り返ってきたのじゃが、わしが思うにその在り方に過小評価の原因があるのかにゃ〜?そのあまりにポップな音楽性は、パンクを求める人に相反し。癖のある高音猫声ボーカルは、受け入れる人を選ぶ。まあ、好きな人が判ればよいのじゃ。食わず嫌いはあとで後悔するでよ。

FATと契約しシングル「My pop the cop」を出した1999年。その全盛期を思い出させる曲は次回アルバムに当然期待よせるものじゃ。
ところで、アルバムってでたの?誰か教えて!

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次回の講義のテーマ「RAMONESの影響を受けたバンドたち」の予定じゃ。以上講義終了